私は犬に声をかけます。
「おはよう
」「今日は寒いね~
」「ご飯食べる
?」「食べた
?おいしかった
?」「さぁ遊ぼうか
」 などなど・・・・。
そのたびに犬達はちゃんと答えてくれます。
振り向いたり「ワン
」と相槌を打ってくれたりシッポを振ってくれたり飛び上がって喜んでくれたり・・・。
そういうやりとりができることに、私も犬達も幸せを感じます。
でも、
この私の「声」が聞こえなかったら・・・・。
そんなことを時々考えることがありました。
お友達のトレーナーのパートナー犬がお耳が聞こえなくなってしまったこと、
それでも試行錯誤しながら共にトレーニングを積み重ね、
あきらめることなく次へのステップに堂々と立ち向かう。。。
そんな努力をみているのがきっかけです。
犬が人から情報を得る方法は声以外にも
体の動き、腕や足、それは指の先から目の動きにまで反応します。
そしてそこから発せられる音。
かすかな空気の振動をとらえるのかもしれません。
たとえば今、棟とのアジリティの練習はなるべく声を出さず走ります。
走っている棟に走りながら次の情報を早く正しく伝えるために体の使い方を意識して走る為に。。。。
そういうことを意識しながら・・・・。
まだまだうまく伝えられないのですけどね
のことのフリースタイルの練習も、体の動きは大きな犬への情報源です。
でも、
そんな、体で走る方向を示すアジリティや、振付を正しく伝えるフリースタイルも
最後の砦はやっぱり声だということに気が付きます。
声は音。
音は空気の振動。
少し前から、のこと棟に対して、「読唇」を試みています。
目の前で「座れ」「伏せ」と声に出して言ってみる。
のこと棟はすぐにできます。
そして次に声を出さずに言ってみる。
のこも棟も一生懸命考えて・・・考えて考えて・・・わからなくて吠えます。
あきらかにストレスを抱えたのがわかります。
お互いに目をつぶっていてもできるこんな簡単なことが、口を動かすだけではできない。
声に出さなくてもひそひそ話のような空気が振れる音、
また腹話術のように唇を動かさなくてもほんの小さな声でも、わかるのに
音のない言葉、唇の動きではわからない。
唇を見ながら何度も吠えて答えを引き出そうとしたり、よそを向いて一生懸命考えたり・・・・
でも、逃げようとしたり無視したり、あきらめて他の事をしたり、知らん顔はしません。
のこも棟もちゃんと受け止めようとします。
で、やっと少しだけできるようになりました。
でも、こんなストレスのかかることをやっていくのは並大抵の事ではない。
もちろん人もストレスです。
でも、
それは私が言葉をしゃべれるし、私の犬は音を聞いて生きてきたからかな。
だからわざわざそんなトレーニングをする必要はないのかもしれないけど、
でも、
楽しんで唇を読みとるゲームを、時々のこと棟と続けていこうと思っています。
きっと犬とのやりとりの深さをもっと知ることができるような気がします。
そして
言葉の大切さ、
声をかけ受けとってくれることのありがたさを
もっともっと感じながら犬達と向き合っていきたいです。
私は
そんなハンデを乗り越えて、笑って前を向いてすすんでいく、
12歳13歳14歳、と歳をとっても、いたわりながら楽しく走ったりステップを踏み続ける、
そんな仲間たちがいて、パワーをもらっています。
ありがとう
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